大日本塗料社長 山下 文隆 (やました ふみたか) さん

2004.09.05
たんばのひと

顧客第一で経営担う
大日本塗料社長 山下 文隆 (やました ふみたか) さん (吹田市在住)
 
1941年 (昭和16年) 氷上町石生生まれ。 柏原高、 甲南大経済学部卒。 64年に大日本塗料入社。 防食塗料部長、 取締役などを経て2001年から常務。
 
 東証一部上場の総合塗料メーカー、 大日本塗料 (本社大阪市) の社長に6月就任した。
 社員900人、グループ企業を加えると2300人を擁する。 これまで技術系や管理畑で占めてきたが、 初めての営業畑出身の社長。 「大型橋梁から高層ビル、住宅、自動車などあらゆる領域に自社製品が使われています。 顧客第一をモットーに利益追求と人間性を大事にするという双方のバランスのとれた経営をしていきたい」 と話している。
 入社3年目に海外第一号の出向社員として台湾へ。 その後、 シンガポールで合弁企業の設立にかかわり、 ニューヨークでは子会社の責任者として、 6年間商品の売れ筋など情報収集活動に従事した。 「海外勤務では、 近くに相談する人がいないので、 1人で決断せねばならないことも多く、 眠れない日もありました」 と振り返るが、 「必要に迫られて勉強した中国語や英語が今も役立っています」 と苦笑する。
 公共事業減少や建設投資の低迷もあって橋やビル建築が減り構造物塗料の需要は伸び悩む。 「今後は、 塗り替え時期になる構造物の補修用塗料に力を入れたい」 という。 さらに、 「人と環境にやさしい塗料として、 VOC(揮発性有機化学物質)を含まない水系塗料の 『ノボクリーン』 を積極的に売り出したい」 と意気込む。
 高校、 大学と陸上競技に打ち込んだ。 ちょうど柏原高校の陸上全盛時代。 3年生のとき兵庫リレーカーニバル1600mリレーに優勝、 大阪と東京間を走る都道府県対抗駅伝大会に兵庫県代表で出場するなど輝かしい成績を残した。 「苦しい練習が今の自分の原点。 困難に出会っても耐えられる体力と精神力が身につき、 チームワークの大切さも教わりました」 という。 「故郷に帰ると何もかも忘れ、 昔の自分に戻って英気を養えます。 仕事を通して故郷に貢献ができればうれしい」

(臼井 学)

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