クリスマスの「親切」エッセイが全国入賞 足立 有希 (あだち ゆき) さん

2004.12.23
たんばのひと

 身の回りで起こった小さな親切など、 心温まる物語をはがきにしたためて応募する、 第20回 「小さな親切」 はがきキャンペーン (社団法人 「小さな親切」 運動本部主催) で、 4人に贈られる優秀賞を受賞した。 全国から3581通の応募があった中で、 大賞、 準大賞 (共に1点ずつ) に次ぐ賞。 大学生時代に住んでいた、 山梨県甲府市のアパートでクリスマスの夜に起こった、 素敵な出来事をつづった。


  「親元を離れ、 初めての一人暮らしをしていた大学1回生のクリスマスのことです。 レストランのアルバイトが終わり、 深夜にアパートに帰りました。 部屋の明かりは全部消えていて、 みんなどこかに出かけているんだ、 と寂しい気持ちになりながらアパートの玄関までたどり着くと、 ドアのノブにプレゼントがかかっていました。 差出人の名前は書いてありませんでしたが、 大家さんが一人暮らしの学生を思いやり、 サンタを装って置いていてくれたものでした。 白いクマのぬいぐるみで、 このクリスマスプレゼントは、 大学を卒業するまで続きました。 今も4つの人形を、 大切に飾っています」  「大家さんは40歳代から50歳代くらいの女性。 とても細やかに心配りをされる温かい方で、 『花の少ない時期ですから』 と、 花を贈ってくださったこともありました。 私が3回生の時には、 アパートの1期生が企画して、 オープン10周年パーティーが開かれるくらい学生に慕われていました。 クリスマスプレゼントも、 一人ひとり違うものだったようです」  「もともと文章を書くのは好きで、 気まぐれで書いてはいましたが、 コンテストに応募したのは初めて。 出したはがきも一通でした。 賞のことなんて、 全く頭になく、 入賞の通知が届いた時は、 うれしかった。 大家さんには、 賞に入ったことを知らせていません。 照れくさいですから」


 作品は、 来年2月下旬発行予定の冊子 「あのときはありがとう?」に掲載される。 予定価格700円。 問い合わせは、 「小さな親切」 運動本部 (03-3263-2866)へ。 青垣町大名草。 29歳。

(T)

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