水中カメラマン 速形 豪 (はやかた ごう) さん

2005.03.27
たんばのひと

国内外の海を撮る
水中カメラマン 速形 豪 (はやかた ごう) さん (大阪市在住)
 
1974年 (昭和49年) 丹波市春日町下三井庄生まれ。 氷上高卒。 製作会社 「エキスプレス」 アルバイト、 契約社員を経て、 昨年8月からフリーに。 父の重幸さんもカメラマン。
 
 ABC系で放映中の 「旅サラダ」 を中心に、 旅番組の撮影で、 オーストラリア、 ハワイ、 フィジー、 メキシコ、 ニュージーランド、 バハマと、 世界の海を潜った。 国内では、 奄美大島や沖縄、 小笠原諸島の撮影に訪れた。 南国の撮影が多い一方、 水生植物を移植し、 大阪湾を再生しようとするダイバーたちで作るNPOの活動に共鳴し、 定期的にカメラを回し続けている。
  「海外を飛び回るのが夢だった。 大好きな海に潜れてお金までもらえ、 最高」 と笑う。
 海が好きで、 高校卒業と同時にダイビングの免許を取得した。 ダイビングインストラクターに憧れたが、 番組制作会社で働くことに。 毎日放送の報道番組の撮影助手を経てカメラマンに。 奈良テレビの情報バラエティーなどに携わりつつ、 週末を利用し竹野や和歌山県串本の海に通い続けた。
 水中でカメラを操るには、 ダイビング技術を必要とする。 「浮力のせいで体勢を保つのが難しい。 反面、 陸上と違ったおもしろい絵が撮れる」。 『特技』を積極的にPRした事であちこちから声がかかるようになった。
 フリーダイビング日本記録を持つ女優の高樹沙耶さんがらみの仕事も多く、 ハワイの世界大会にも同行した。 2002年に、 映画 「青い珊瑚礁」の舞台になったフィジーの海で高樹さんを撮影した映像で、 水中カメラマンとして腕を認められた。
 ABCの特番で潜った小笠原の海では、 手を伸ばせば届く至近距離で親子連れのザトウクジラを撮影。 「クジラを撮っているというよりは、 クジラに撮らされているようだった。 神秘的で興奮した」。
 何時間もカメラを回しても、 数十秒しか使われないことが当り前という世界。 「番組のエンドロールで自分の名前を見つけると、 やっぱりうれしい。 両親も自分以上に、 喜んでくれているみたいです」 と、 親思いの一面をのぞかせた。

(足立智和)

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