工芸家 松田 雅代 (まつだ まさよ) さん

2005.05.12
たんばのひと

TV出演に笑顔の父クラフト工芸家 松田 雅代 (まつだ まさよ) さん (埼玉県所沢市在住)
 
1970年 (昭和45年) 丹波市山南町岡本生まれ。 旧姓荻野。 篠山産業高校卒業。 大阪の美容専門学校卒。
 
 3月中旬、 突然 「カントリークラフト」 という雑誌社から一本の電話があった。 「あなたの工芸をテレビ東京の番組 『TVチャンピオン』 で取り上げたい」。 何組かの同業者が作品を競う番組で、 今回はカントリーライフの住まいづくりがテーマという。
 松田さんの木工作品は、 犬猫の肉球 (足跡) を、 椅子や状差し、 木箱などに糸鋸でくりぬくのが特徴で、 オリジナリティが注目された。 フリーマーケットや、 インターネットで直販をしていたが、 「編集担当者が、 ホームページhttp://www.rivo.mediatti.net/~ashiato
で私の作品を見つけたようですね」。 電話以来ひと月余り、 無理難題の予算や注文にあわせた家具の製作と、 5日間にわたるテレビの収録で、 徹夜もするような超多忙の日々だったが、 「テレビに出るとブレイクするらしいですから」 と、 目を輝かせる。
 もとは美容師。 美容師の資格を取り、 インターン修了後、 美容整形の病院に数年間勤務した。 ここで人間不信に陥る体験があって退職し、 ナナハンのバイクで日本一周の旅を一年余り。 「夏には北海道から九州まで。 冬はスキー場のアルバイトをしながらスノーボードを楽しむ」 というような自由なライフスタイルで癒された。 もはや普通の勤め人には戻れなくて、 フリーター生活を続けながら時々ナナハンで北海道に。
 そこで知り合った東京の大工さんと結婚し、 「関東と関西の建築方法の違いを勉強したい」 という夫と一緒に丹波へ。 「私の実家に居候して、 夫はますおさん状態。 私は暇だから父の趣味の工作を手伝っているうちに」 今の、 ペットの肉球をモチーフにした作品を生み出した。 菓子職人の父親ともども器用な血筋らしい。 「今回のテレビ出演を、 父が一番喜んでいるみたいです」。
 昨年大工の修行が終わり、 夫の実家近くへ越してきた。

(上 高子)

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