イラストレーター 長坂 摩佐美 (ながさか まさみ) さん

2005.06.23
たんばのひと

心に残る故郷の風景
イラストレーター 長坂 摩佐美 (ながさか まさみ) さん (明石市在住)
 
 昭和37年(1962年)神戸市生まれ。 山南中、 篠山産業高校を卒業。 OLを経て、 芦屋のデザイン専門学校で2年間学び、 神戸のデザイン事務所に5年勤め、 独立。
 
 明石市に住み、 企業の広報や雑誌など女性や子ども向けの仕事を手がけるフリーのイラストレーター。 好きな絵を生かして活躍中。
 明石市公園緑地課と公園緑化協会の卓上カレンダーは、 今年で9回目。 毎回形態を変えて好評。 市民に緑化を啓発するもので、 手で開くと季節の花に包まれた動物や人、 花が飛び出すユニークな仕掛け。
 小学校2年のときに父の仕事で、 神戸から山南町に引っ越した。 「高校まで過ごした山南町には、 思い出がいっぱい残っています。 山並みの美しさ、 高校に通う途中福知山線の列車からながめた川代渓谷などが今も脳裏をよぎります」 という。 「今の時期になるとホタル狩りや虫取りに行ったことを思い出します」。
 そんな縁もあって、 数年前に山南町商工会が発行した観光イラストマップをデザインした。 両面に 「情熱ただよう岩尾城下の町和田」 「健康マイタウン山南町」 と故郷の歴史と自然をいっぱい散りばめたマップになった。 「加古川線の谷川駅に降りた時には、 ほっとしました」。 休日は一人で、 ぶらりと旅に出かけるのが楽しみ。 中心部から少し離れたカワラ屋根など昔からの風情が残る日本的な景色が好き。 それが、 だんだん無くなりつつあるのが寂しい。 コンクリートの建物が目立ち、 どこに行っても同じような風景になっていく感じがする」。
 「これは、 イラストでも感じます。 パソコンでの仕事が増えましたが、 自分自身は透明水彩やパステルで描く手描きの作品の方が趣があるので好き」。 これから、 やってみたい仕事は、 ストーリーを元にした絵本の挿絵。 「絵があることで、 お話の魅力を引き出し、 本を読む楽しさが増すような絵が描けたら…」 と夢を抱く。
 「子供時代に田舎で育ったせいか、 のん気な性格。 自分の感性を大切にしながら、 新しいアイデアを出していきたい」

(臼井 学)

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