テレビの裏側で活躍
放送作家 古井 知克 (ふるい ともかつ) さん (東京都在住)
1964年 (昭和39年) 篠山市生まれ。 篠山鳳鳴高校、 早稲田大学政経学部卒業。 93年、 ジーワン創設に関わり、 以来同社のライター。
テレビ番組の中で、 「情報バラエティ」 とよばれる分野が古井さんの活躍の場。 現在、 関西テレビ系では 「発掘!あるある大辞典」 のライターとして全体を構成し、 ディレクターや編集者などスタッフを束ねている。
どんな分野でもこなすが、 得意は科学と歴史。 10年前、 「開運!なんでも鑑定団」 (テレビ東京) を担当したとき、 10%に低迷していた視聴率が20%に上がり、 裏番組の 「なるほど!ザ・ワールド」 (フジテレビ) の視聴率と逆転現象を起こした。 「とやかく言われる視聴率ですが、 よいスポンサーがつきますからね。 テレビ東京は社員に大入り袋を出しました。 テレビ界の下克上といわれたほどです」
特に思い出深いのは、 「世界!ふしぎ発見!」 (TBS) のクイズ作り。 図書館で本を読みあさり、 問題をひねり出す。 「黒柳徹子さんと図書館で会ったりしましたよ。 彼女がトップ賞をとらなかったクイズを作ったのは僕が一番多かったんです」
大学卒業後、 しばらく仕事を見つけず 「風太郎」 をしていた。 「今で言うニートやフリーターですね。 本当は大学院へ行って、 日本近代史の研究者になりたかった」 という。
そのうち友人に声を掛けられ、 テレビ番組のリサーチャーとして資料集めの仕事を始めて現在に至っている。 「本来の志望とは違いますが、 今の仕事は自分に合っていると思いますよ」。 趣味は古本 (明治文学) あさりと書店めぐり。 資料から新しい事実を発見することにワクワクする。
丹波で育ったことで、 「情報への枯渇感、 活字に飢えていたこと」 が今の自分をつくったと思う。 「今の丹波は、 情報量では都会と違わないかもしれないけれども、 東京は人と面と向かって情報がとれるという魅力があるので、 当分離れられないですね」
今日も会社に泊まりこみ。 急ぎの原稿書きが待っているそうだ。
(上 高子)