設立30周年記念発表会を開いた 「あざみ会」 の指導者を発足時から務める日本民踊公認指導者。 和やかに晴れの日を迎えようと、 気の置けない仲間たちと、稽古に励んでいる。
●
「『遊びみたいな感じでしよかいね。 ちょっと教えて』 と言われたのが会を作るきっかけ。 50歳のころに県民踊指導者連盟の講習会に行き、 公認指導者の資格を取りました。 それから会を正式に立ち上げ、 今年で30年になります。 私を含め全員が香良区民のご近所さんです」
「会の名前は、 あぜに生えているアザミにちなんでいます。 トゲがあり、 痛い花ですが、 そこに引っ掛けて 『トゲを抜き、 良い妻、 良い姑にならなあかん』 という思いで、 メンバーがつけてくれました。 一番多い時で27人会員がありましたが、 亡くなった方も大勢おられ、 今は10人。 このうち4人は、 嫁いで来たお嫁さんが、 おばあちゃんの後を継ぎ、 親子2代でがんばってくれています。 みんな喜んでけいこに通って来てくれるのが何よりうれしい。 この30年間、 仲良く続けて来られた喜びをひしひしと感じています」
「地元の敬老会や、 運動会、 施設訪問などが活動の中心で、 はなばなしい活動はせず、 地道に楽しんで来ました。 30年間で作ったのは帯が2本と着物が3着だけ。 『細く、 長く』 です。 香良が長く続いたことで、 昨年から、 隣の田中区でも民踊の会 『秋桜会』 ができ、 そこでも教えるようになりました。 発表会では、 市氷上公民館の 『寿学級』 といっしょに華を添えてくれます。 あざみ会も、 『香良川慕情』 『幸世小唄』 などを上演します。 子ども以上にかわいい、 『十人の娘』 と一緒に、 精一杯やりたいと思っています」
○
民踊が生きがいと言い、 踊りを始めてからかぜひとつひかない健康体だという。 気取らない、 チャーミングな人柄で、 会員からは母親のようと慕われている。 100歳までは指導を続けてほしいという会員の願いがかなうよう、 健康に気をつけてがんばってほしい。 丹波市氷上町香良。 81歳。
(足立智和)