生活情報雑誌に作品
写真家 岡田 佳奈 (おかだ かな) さん (ニューヨーク市在住)
1978 (昭和53) 年東京生まれ。 日本大文理学部を卒業後、 米ロチェスター工科大写真学部に留学。 2003年卒業。
ニューヨークを舞台に、 雑誌からの依頼で料理やインテリアなどの写真を撮る仕事をしている。
大学では、 母 (柏原町出身の岡田=旧姓荻野=昌子さん) と同じ臨床心理士をめざして心理学を勉強したが、 サークルで活動していた写真の方により魅力を感じ、 アメリカの写真の名門校、 ロチェスター工科大で広告写真を学んだ。
一昨年、 卒業と共にニューヨーク市に移って先輩の助手を務め、 昨秋から独立。 「助手の仕事も続けながらですが、 作品を売り込んでくれるエージェントもでき、 一応仕送りを受けずに生活できる程にはなった」。
作品は 「リアル シンプル」 というタイム社発行の月刊生活情報誌にほぼ毎号載せているほか、 いくつかの雑誌から注文が来る。 料理はやはり出来立てが見栄えがし、 数枚撮るために一日中スタジオにこもる。 「風景と違って、 物体は自分で好きなように手が加えられるところが面白い。 メッセージ性も結構あり、 心理学にもつながる部分がある」。
アメリカの文化にはいまひとつなじめないが、 仕事の面では充実している。 「英語のたどたどしい『小さな女の子』でも、 作品さえしっかりしていれば、 正当に評価し、 一人前に扱ってくれる。 その懐の深さが魅力的」。 ある時、 東京の雑誌社に電話をかけたが、 取り次ぎもしてくれなかったとか。
それでも、 絶えず緊張を強いられるニューヨークから日本に帰るとほっとする。 「食べ物はおいしいし、 人の目の色が違う。 丹波に来て、 とんがった山の形に新鮮さを感じました」。 可愛がってくれた柏原の 「おばあちゃん」 は他界して久しいが、 マンハッタンの夕空を眺めながら時々思い出すという。
あと3年はニューヨークにいて広告写真なども手がけ、 「ゆくゆくは日本と往復しながら仕事ができれば」 と、 夢をふくらませている。
(外野英吉)