PCC大洋代表 岡 吉明 (おか よしあき) さん

2006.04.13
たんばのひと

人間関係重視の商売
PCC大洋代表 岡 吉明 (おか よしあき) さん (埼玉県朝霧市在住)
 
1943年 (昭和18年) 丹波市柏原町生まれ。 旧姓松下。 柏原高校卒。 大阪で旧日立冷機に勤めた後、 上京。 兄の会社に勤めながら、 代々木経営経理学校、 富士短大を卒業。
 
 建築資材や設計施工、 造園など様々な会社を兄弟コンビで経営してきたが、 8年前、 55歳で現役を離れた。 現在は個人経営の工房で、 これまで培った仕事のノウハウと人脈を活かして印刷、 写真、 編集などを中心に 「もうけは二の次」 と割り切った仕事と、 趣味の生活を満喫。 「年間20日しか休日がないような無茶苦茶な働き方をしてきたので、 早く引退して今は代休をとっているようなもの。 ゴルフが優先順位の一番」 といい、 幹事を務める 「関東氷上郷友会・氷上ゴルフ同好会」 のコンペは100回を超え、 毎回30人ほど集まる。
 ビジネスの成功は、 「地道に真面目を貫くことで得られる信用」 に尽きるという。 末端消費者にも卸の商売感覚をもって、 「イチゲンさんではない、 人間関係重視の商売」 を心がけてきて成功した。 「安いからと量販店で買って、 ひどい目に遭うことがよくあるでしょう。 よい仕事をすれば、 地域、 親戚、 友人を通して客は次々に広がっていきますよ」。 その知恵は、 丹波の商売では当たり前のことを、 幼少時に学んだように思え、 まさしく 「丹波が育てた人」 といえる。
 母子家庭の経済事情もあって、 大学進学を断念。 当時は進学者はまだ少数派だったが、 「学歴のコンプレックスをずっと抱えていた」。 大阪の就職先で 「やっぱり大学は出なくちゃ」 と思い立ち、 3年で辞め上京。 兄の松下文雄さんの会社で働きながら、 夜学へ通った。 「コンプレックスはハングリー精神を生み出し、 成功の素にもなりますね。 『松下幸之助が小学校卒だったから、 ナショナルが勝った』 とサンヨーの井上元社長が、 自著に書いてますよ」。
 妻は柏原中・高で音楽の仲間だった一級下の洋子さん。 中学時代からの恋仲で、 入り婿も辞さず初恋を貫いた。 「老後にUターンしようにも、 彼女が丹波へ戻るのを気恥ずかしがっている」 と笑った。

(上 高子)

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