心筋梗塞の受け入れできず
内科医半年で半減
内科医二人が今月末で退職するのに伴い、 県立柏原病院 (繪野幸二院長) は九月一日から、 これまで夜間も含め三百六十五日受け入れてきた午後五時以降の診察時間外の内科の救急患者の受け入れを、 原則二次救急輪番制の当番日の水曜のみ (土、 日曜も当番日のみ) とする。 また、 同科の初診診察も、 火、 木曜は休止する。 心臓カテーテル治療が必要となる心筋こうそくなどの患者の受け入れができなくなる。 退職する医師の後任が確保できないための措置。 一人は転勤、 もう一人は開業のため退職し、 内科医師は七人から五人になる。 今年三月末までは十人おり、 わずか半年で半減した。 すでに深刻な人手不足で医師に過重な負担がかかっており、 これまで通りのサービスを維持するために残った内科医の業務量を増やすことは困難なことから、 診療内容を縮小せざるを得なくなった。
残る内科医五人の内訳は、 部長一人、 医長四人。 実働部隊となる医長は、 消化器と循環器の専門が二人ずつ。
退職する一人の医師は、 心臓カテーテル治療を後輩に教える指導医。 指導医抜きで残された二人がカテーテル治療を行なうことはできず、 一般的にカテーテル手術に必要とされる循環器専門の医師三人を確保することもできないため、 心筋こうそく、 不安定狭心症患者の受け入れができなくなるという。
緊急および定期検査を含め、 昨年度実績で、 同病院の心臓カテーテル検査は二百四十二件。 血管を広げる手術は八十四件だった。
丹波地域で心臓カテーテル治療が行なえるのは、 兵庫医大篠山病院のみ (循環器担当医が診察可能な場合のみ) になる。 三田市民病院 (三田市)、 福知山市民病院 (福知山市)、 三木市民病院 (三木市)、 大山病院 (西脇市) でも治療ができる。
柏原病院が内科の急患の受け入れを原則水曜のみとすると、 二次救急輪番制に参加している柏原赤十字、 兵庫医大篠山、 岡本、 大塚の各病院が、 輪番当番日に内科医を配置せざるを得なくなるが、 丹波地域内の病院では内科医も不足傾向にあり、 輪番の当番病院に行っても、 内科医が不在で診てもらえない日が出てくるとみられる。
柏原病院の上田康夫診療部長 (産婦人科) は、 「内科以外は、 これまで通りの診察、 救急対応をする。 これまで担えていた部分が担えなくなることは心苦しいが、 一部を縮小しなければ、 残された医師がもたず、 もっと深刻な事態を迎えかねない」 と話している。 (足立智和)