丹波市外への救急搬送増加 06年上半期

2006.09.17
丹波の地域医療特集

柏原病院の医師不足 影響じわり
西脇や福知山へ

 県立柏原病院の医師不足による影響が、 丹波市外への救急患者の搬送数の増加という形で出始めていることが、 丹波市消防本部の今年上半期 (一月から六月) の救急搬送の実績から分かった。 同病院は、 八月から小児の救急患者の受け入れを火、 木曜、 九月から内科の夜間の救急患者の受け入れを水曜のみとしており、 市外搬送の割合が下半期では、 さらに増えるものとみられる。 (足立智和)
 昨年一年間と今年上半期の搬送数を比べると (表参照)、 市外の割合は昨年一〇・四%だったのが、 今年は一五・六%と増加。 人数も上半期だけで百六十六人と、 昨年一年間の二百二十七人の七割強に達している。
 同本部の搬送人数に占める柏原病院の割合が、 昨年度の五八%から四六%に低下。 柏原が 「診られなくなった」 ことであふれた患者の一部を大塚病院がカバー。 カバーしきれない分が、 市外搬送数の増加という形であらわれている。 昨年百三十五人あった篠山市消防本部からの柏原病院への搬送も、 今年上半期は五十人にとどまっている。
 市外搬送で最も顕著なのが、 山南地域と接している西脇市の大山病院。 すでに昨年を上回る数の患者を搬送している。
 市島地域と接する福知山市の京都ルネス病院、 篠山市の岡本病院への搬送も、 昨年より多いペースで進んでいる。
 高度医療を必要とする人の神戸大学附属病院への搬送も、 昨年に迫る数となっており、 医師不足により、 柏原病院で高度医療を提供するのが難しくなっている実態が浮き彫りになっている。
 救急隊は、 受け入れ可能な病院を、 「なるべく近く (市内)」、 また 「患者の希望」 によって探すことから、 市外搬送が増えている背景には、 柏原病院の受け入れる力が落ち、 市外病院で受け入れ先を探さざるを得なくなっていることに加え、 日ごろから市外の病院を利用する市民が増えているものとみられる。

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