柏原町にはいろいろなまちの自慢があるだろうが、樹齢千年ともいわれる大ケヤキ「木の根橋」を一番大切に思っている人も多いと思う。県指定の天然記念物で、一本の太い根が幅6メートルの奥村川をまたいで自然の『橋』を形作っている巨木だ。 その「木の根橋」が今、病気と闘っている。樹木医らが「ナラタケモドキ菌」に冒された根の病患部を除去する手術を行い、道路下に観察用の地下空間を設ける大掛かりな工事を行った。 迫力のある太い鋼管支柱が2本設置され、幹の接続部分に「ベルト」が巻かれた姿には、一瞬ぎょっとした。不自然でとても痛々しい。根が十分育つまで10年、20年と支柱が必要かも知れないという。 治療とは関係がない柵のことも気になる。これまでは幹周りだけに小さな木柵があったが、今回の工事で「橋」部分にまで伸び、木に似せたコンクリート製の柵になった。ごくたまにさわったりしていたが、もう手が届かなくなってしまった。もっと低い木の柵か、縁石だけでよかったのでは。大ケヤキの身になれば、どっちでもいい問題かもしれないけれど。(徳舛 純)