課題を共有する交流

2007.01.31
未―コラム記者ノート

県下で2番目の規模の前方後円墳「車塚」が近くにある、篠山市口県守(くちあがたもり)の農家有志が今年で7年目の都市との交流を行った。同地区の農家5軒が西宮市の幼稚園児と親約200人を受け入れた。当初は市の事業として取り組んでいたが、今は全くのボランティア。5アールの畑の世話をし、収穫当日は、黒豆の枝をハサミで切って、子どもたちの収穫に備えた。園児たちは、毎年、自然に囲まれた畑で収穫体験することで給食を残さず食べるようになったり、豆が嫌いだった子も食べられるようになるなど、幼稚園や親たちも喜んでいた。畑を提供している農家の細見通世さんは「消費者はきれいな有機野菜が欲しいというが、それがどれだけ大変なことか、まずお母さんにわかってほしい」と、ほ場に案内し、病虫害で侵された野菜などを見せる。いつもスーパーで買い物している母親たちは、その野菜の姿にびっくりするという。幼稚園の行事には、農家が出向き、採れたての農作物を販売する。互いの課題を共有し、一方通行ではない行き来が、農家と幼稚園の楽しい交流を支えているのだろう。(坂井謙介)

関連記事