篠山鳳鳴高校が4月から毎月1回、丹波地域の中学生に向けて壁新聞「鳳鳴高校だより」を発行している。初めての取り組みとあって「手探り状態で進めていく状況」(創刊号)だそうだが、中学生に対して定期的に近況を伝えようとする取り組みは面白い。 今年3月の一般入試で、普通科が定員割れしたことが発行のきっかけ。学校に親しみを感じてもらい受験者の増加につなげるため、同校は情報を直接発信することにした。 同校によると、単発の交流事業がたびたび開かれているものの、中学生が高校を訪れる機会は「8月に開かれるオープンスクールくらい」と意外に少ない。丹波地域の中学生が地元高校の様子を具体的にイメージするためには、たとえ一枚の壁新聞といえども、1年を通した情報発信の意味は小さくはないだろう。 中学3年生の生徒数が少子化で減少するなか、高校は受験者を獲得する工夫を迫られている。高校が有意義な学習や活動を行っていても、それを中学生が知らなければ、学校の魅力として認識されない。中学と高校を主体的に近づけようとする鳳鳴高校だよりのねらいは、学ぶところが多いように思う。(古西広祐)