山南町上滝で恐竜化石の発掘を進める県立人と自然の博物館は二十一日、 「一―四センチくらいの恐竜の化石と見られる骨片が七十個以上見つかった」 ことを明らかにした。 「恐竜以外の小動物の化石も含まれている。 それが何の化石なのかがわかれば、 当時の生態系を探る手がかりになるだろう。 化石本体が見えてくる所まであと数センチに迫った。 今週末にもどれくらいの大きさの物が出るのか楽しみ」 と期待感をにじませた。 発掘調査は大きなヤマ場を迎えた。
高さ二メートル、 幅約七メートル、 奥行き三メートルの範囲で作業を進めている。 「岩石を削って、 化石を取り出すクリーニング作業は約半年かかる。 どのような動物の骨なのか、 竜脚類であればどの部分の骨なのかを特定したい」 と三枝春生研究員。 岩を割って取り出した岩石の断面で、 周辺とは明らかに違う青味がかっている部分が化石と見られる。 同博物館では、 「一頭分がばらばらに埋まっている可能性がある。 どのような状態で埋まっていたのかを解明したい」 という。
「体のどの部分が出てくるのか」 と期待が集まるなか、 テレビ、 新聞関係の報道陣も十社以上取材に訪れるなど恐竜ブームに拍車をかける。 丹波市も発見現場近くに恐竜化石の内容を紹介する恐竜化石発掘関連掲示板を設置。 資料を上久下地区公民館など四カ所に張って、 PRにつとめている。
<写真>一頭分が埋まっている可能性が高まる発掘現場=山南町上滝で