11日から13日にかけて、一斉に秋まつりが行なわれた。バラエティー豊かな祭りに触れ、とても楽しませてもらった。 村芝居が上演された春日町の鹿場区では、会場の公民館に人が入りきらないほどの盛況だった。「知っている人が出演している」だけで笑いを誘われるのに、カツラが取れたりするハプニングも重なり、観衆たちは、抱腹絶倒。「今年一年で一番笑った」というほど楽しむ人もあり、底抜けに明るいおまつりだった。 春日町棚原では、子どもたちが奉納相撲をとっていた。お目当ての相撲甚句の発表は時間の都合で見られなかったけれど、呼び出しがいて、勝負審判がいて決まり手をきっちり判断する、本格的な相撲興行の様式に感心した。ここでもお年寄りが、取り組みを終えた子どもをつかまえて「僕、良かったぞ」と声をかける温かい場面に出会えた。 「収穫を感謝する」という農耕儀礼に重きを置き、何百年も続く伝統を守る地域もあれば、村おこし的な、おもしろおかしい祭りもある。各地にある豊かなまつりが、住民の心を通わす場として、末長く続くことを願う。(足立智和)