◆勤務先の柏原高校で講演「人づくりに役立てて」
恐竜化石発見者の一人、 足立洌 (きよし) さん (柏原町南多田) が8日、 自身が非常勤講師として勤務する柏原高校で 「丹波で恐竜に出会った!」 を演題に講演した。 化石発見の経緯や、 発掘された化石の解説、 化石発掘への思いなどを熱っぽく語った。
足立さんは、 「恐竜の化石発掘はもちろん楽しいが、 1億3000万年前の虫が這った跡が残っている化石にロマンを感じる。 どんな小さな虫にも命がある。 誰も注目していないが、 わずか数週間しか生きなかったであろう虫が残した証がすごくいとおしい」 と話した。
また、 「恐竜化石に大騒ぎし、 活性化につなげるのは悪くないが、 ブームが過ぎれば終わり。 活性化とは、 人をつくること。 いかに教育に役立てるかだ。 子どもたちをもう一度、 自然の中に戻すチャンスになれば」 としたうえで、 「自然は我々に疑問を与え、 答えも用意してくれている。 高校生のみんなには自分で疑問を見つけ、 解く力をつけてほしい」 と呼びかけた。
さらに生徒からの質問に答え、 「発掘している現場は、 化石が残る条件としては非常によい。 全身が出るかは、 2次、 3次発掘で分かってくるだろう」 と期待を込めた。
講演を聞いた足立拓也君 (2年) は 「恐竜が見つかったことより、 手をつけていない自然の景観が損なわれるのが悲しいと話していたのが意外だった。 まちを活性化するより、 子どもたちの教育に生かしてほしいという考えを初めて聞いたので印象に残った」 と話していた。
<写真>画像を見せながら恐竜化石について講演する足立さん=柏原高校で