化石発見者らてい談 裏話を披露

2007.09.07
丹波の恐竜

 柏原高校で柏陵セミナー  柏原高校の創立110周年特別記念と位置付けた 「第10回柏陵セミナー」 (柏陵同窓会など主催) が1日、 同校内の柏陵会館で開かれた。 「化石の中に見つけたいのち―丹波竜発見から1年」 と題し、 NHKチーフアナウンサーの村上信夫さんが、 発見者の足立洌さん (同校非常勤講師)、 村上茂さん (同校15回生) から恐竜発見にまつわる裏話などを引き出した。
 発見者の2人は大学時代の友人。 足立さんは、 村上さんが定年後、 故郷丹波に帰ってきていると知り、 三十数年ぶりに再会した。 足立さんから化石発掘に誘われた村上さんは 「考古学には興味がなく、 足立君の話も右から左へ、 だった。 ただ、 自分が幼いころに遊んでいた篠山川を調べるというのが、 話を受け入れた理由の一つ」 と話した。
 化石が見つかった8月7日、 2人は篠山川で泳いだり、 魚を取って遊んでいたというエピソードを紹介。 村上さんは 「たまたま目の前にある泥岩層に小さな石のようなものを見つけた。 少し削るとパラリと落ちると思ったが、 厚みがあった」 と発見の瞬間を説明した。
 それを見た足立さんは 「何であるかが分からなかったし、 篠山層群に骨が残ることはないと思い込んでいた」 とし、 村上さんは 「木ではないかと思ったくらいで、 1人で掘っていたらポイと捨てていたかも」 と話した。 さらに足立さんが 「(村上君が) 化石を叩いて音を鳴らして遊んでいたのでヒヤヒヤした」 と笑いを誘っていた。
 最後に足立さんは 「恐竜化石は我々に何かを訴えるために出てきたのではないか。 それはオゾン層の破壊など、 人間がごう慢に生き過ぎているということと考えてよいのでは」 と強調。 村上さんは 「地元にこじんまりとした博物館を建て、 子どもと大人が一緒になって命の大切さを学べるようになれば」 と夢を語った。

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