丹波地域医療確保対策圏域会議 (議長=山鳥嘉彦・篠山市医師会長、 事務局=県柏原健康福祉事務所) の1年ぶりの会合が29日、 柏原職員福利センターで開かれた。 医療法の改正に伴い、 これまでの 「丹波医療圏での医療提供体制を構築する」 という考え方から、 同法が求める、 医療圏の考え方を外し、 疾病ごとに医療提供体制を構築する方向に軸足を移す、 大幅な方向転換をした。 「小児・産科を県立柏原病院に集約する」 などとする1年前の提案は、 白紙になった。
医療法改正に合わせ、 4疾病5事業 (がん、 脳卒中、 急性心筋梗塞、 糖尿病、 小児救急を含む小児医療、 周産期医療、 救急医療、 災害医療、 へき地医療) の医療提供体制を検討することにしたという。
2月28日に開く次回会議で 「丹波医療圏」 にこだわらず、 それぞれの疾患ごとに、 丹波、 篠山2市内の病院で担える部分、 担おうとする部分と、 三田市や西脇市など、 他市の病院に依存する部分などを整理、 検討する。
会議は非公開で行われ、 終了後に山鳥議長、 高岡道雄県健康局長らが会見。 事務局によると、 「圏域で対応できない疾病の対応は、 確保の努力はするが、 当面は現実的な対応をはかる (三田市や西脇市の病院に搬送する)」 とする原案に対し、 出席した委員からは、 「(圏域内で) 脳卒中と心筋こう塞、 小児救急を診れる体制を充実する必要がある」 などの意見が出たという。
柏原赤十字の産科撤退、 兵庫医大篠山病院の小児科医減少、 県立柏原病院の小児科・産科の存続危機を引き起こした 「集約案」 は、 白紙に。 また、 前回会議で示された▽県立柏原病院が命に関わる場合もある緊急時の 「急性期医療」 を担う▽兵庫医大篠山病院、 柏原赤十字病院、 その他民間病院は、 慢性的な病気や回復期の 「亜急性期医療」 を担う―とする病院間の役割分担案も、 事実上 「なかったこと」 にされた。(足立智和)