地域起業家養成講座

2008.01.31
丹波春秋

 慶応大ビジネススクールの地域起業家養成講座が、同校と丹波、青森、金沢、北九州、佐賀の各市をインターネットで結ぶテレビ会議システムで始まり、丹波会場(氷上勤労青少年ホーム)を傍聴した。▼5会場とも起業や第2創業をめざす3人ずつの研修生が「ケースメソッド」方式で受講している。「ケースメソッド」とは、先生の話をただ聴くのでなく、具体事例をもとに意見を交わし、成功すべき企業家像を自分たちで探っていく方法で、先生は進行・助言役である。▼初回は、「行政経営」の専門教育をめざして起業し、失敗した人の事例。うまくいかなかった原因について、「理念が弱かった」、「経営管理が駄目だった」など次々に指摘され、しかし多くの人が「自分も陥るかもしれない」と打ち明けた。▼翌週の2回目は傍聴に行けなかったが、今度は飲食業での成功事例が教材。いずれも脚色はしてあるものの、架空の話ではないそうだ。竹内伸一講師は「少数意見でも臆しない『勇気』と、『礼節』、『寛容』が討議の原則。15人はこれから、かけがえのない関係を結んでいける」と話した。研修は大学でのスクーリングもまじえ、半年以上続く。▼丹波の3人はいずれも30から40歳代。大阪からUターンしてIT関係の事業を始めようという人もいて、楽しみだ。講座は誰でも傍聴できる。(E)

関連記事