化石を含んだ岩を搬出 「背骨を期待」

2008.03.06
丹波の恐竜

 山南町上滝の恐竜化石発掘現場で3日、 化石を含んだ岩を石こう布で覆った 「プラスタージャケット」 の搬出作業が行われた。 大小9個、 最大3トン (2メートル×1・5メートル、 厚さ70―80センチ) のジャケットが現場から運び出され、 年明けから進められていた第2次発掘調査が終了した。 現場は今月末までに埋め戻され、 秋以降に予定されている3次発掘を待つ。
 この日午前中から作業を始め、 午後には3トンのかたまりをクレーンがつり上げて運搬車に積み込んだ。 4日には3次発掘対象地の参考にするため、 今回の調査で手を付けなかった部分を試掘した。
 運び出したジャケットは、 肋骨10数本と背骨の一部が露出している岩が含まれているという。 現場で取材に応じた三枝春生・同博物館研究員は、 「クリーニングをすれば、 アゴや頭の骨も入っているかもしれない」 と期待を示し、 「最も注目しているのは、 構造が複雑な胴体の背骨がどれだけ残っているか。 特徴が出やすい部分で、 良好に残っていれば、 この大型草食恐竜がどんな進化をしてきたかを考える重要な材料になる」 と話した。
 また、 尾の骨の特徴などから丹波竜が新種の竜脚類とみられることについて、 「クリーニングを終え、 他の恐竜と比較することが大前提だが、 新しい種である可能性は高いと思う」 とした。

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