化石発見者の足立洌さんに聞く

2008.06.16
丹波の恐竜

 一昨年の恐竜化石発見に続き2度目の大発見となった足立洌さん。 発見時の感想や今の思いなどを聞いた。 (聞き手は森田靖久)

 ―発見した時の状況は
 あるグループを今回の地層に案内している時、 砂利の中に、 外がきれいなブルー、 中がピンク色のものを見つけました。 はじめは、 ビニールの被膜のついた銅線のようにみえました。 「何だろうな」 と思い、 自宅に持ち帰り、 顕微鏡で調べたところ、 動物の骨と分かりました。
 ―どんな気持ちになりましたか
 ピンセットを持つ手が震えましたね。 脊椎動物は篠山市内では、 今まで出ていないと聞いていましたから。 約20年間で100回以上訪れていた現場なので、 驚きました。
 ―丹波竜に続いての大発見ですが
 恐竜は大きいので、 発見される可能性は高い。 私は本当は、 小さな虫などがはった跡などを探すのが好き。 その跡を作った主を見つけるのが夢なのです。 だから、 恐竜よりも小さな生き物が発見できてうれしいんです。
 ―今回は篠山市内での発見となりました
 長年、 教師として篠山で働いていたので、 丹波竜を見つけた時は教え子らに 「なんで篠山で見つけてくれないの」 と、 言われたものです。 篠山でも発見できて良かった。
 ―2度の大発見で、 何か自分で変わったところはありますか
  「篠山層群をしらべる会」 など、 新しい仲間ができました。 私自身は、 畑に行って、 学校に行って、 時々地層を見て、 時々お酒を飲んで―と、 特に変わっていません。
 ―発見がどのように生かされればいいですか
 今の子どもたちは自然に親しむことがあまりない。 大自然の、 命の不思議さを考えてもらうきっかけになればと思っています。

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