「江」ゆかりの人物

2010.08.30
丹波春秋

 来年のNHK大河ドラマの主人公、江(ごう)とかかわりがある、丹波市ゆかりの人物3人を取り上げ、5面で特集を組んだ。柏原藩の初代藩主・織田信包(のぶかね)、最初の夫の佐治一成、江と張り合った春日局。いずれも大河ドラマに登場するに違いない人物である。▼江の父親は浅井長政で、信長によって滅ぼされた。その際、信長が長政の頭蓋骨を杯にしたという話は有名だ。信長は頭蓋骨についだ酒を家臣に飲むよう命じたが、織田信包はこれを拒み、席を立ったといわれている。▼長政亡き後、江ら3人の娘を預かった信包は、作家の安部龍太郎氏が「信包さえ生きていれば、豊臣家が滅びることはなかったであろう」と評価した人物だ。柏原藩主としても功績を残し、氷上町内の神社に信包を祭る祠があるほど。あまり知られていないが、相当な人物だったのだろう。▼江と離縁した後、柏原に住み、柏原藩の筆頭家老をつとめた佐治一成。以前、大河ドラマで取り上げられたとき、各地から「わが町が出生地」との声が上がった春日局は、その後の調べで春日町に軍配が上がった。▼大河ドラマの主人公になるほどの人物の周辺に、丹波とかかわりの深い者がいる。大いにPRしていいことだ。来年の大河ドラマを、地元の歴史を見つめる好機にしたい。    (Y)

関連記事