ウサギには「ぴょんぴょん跳びはねる」イメージが定着しているが、これはニホンノウサギの話。本紙6日号によると「時速80キロで走る」というが、一般にはあまり目に触れない。▼同じ紙面で「ウサギを飼っている小学校が丹波市内で3割、篠山市内で7割」と書いてあった。写真を見ると大抵が、ヨーロッパ原産のアナウサギをペット化したウサギのようだ。耳が短くポテッとした身体つきで、いかにも可愛らしいが、この種類は「跳ねる」というより「潜る」ウサギだ。▼30年ほど前、幼稚園か小学生だった娘らにせがまれて買い、自宅の裏庭に放していたことがあるが、土をどんどん掘り返し、盛んに子供を産んで巣穴にかくまう。植木の根までかじって、枯らしてしまった。▼新年から株式市場が比較的活況で、「卯年に跳躍する景気」への期待が高まっている。1951年以来の過去5回の株価の平均上昇率は23%強。下がったのは1回だけで、朝鮮戦争特需のあった51年は63%も上がったという。▼世界的にダブついているお金がどこに流れるかに注目しなければならないが、日本はもとより各国ともそれぞれに深刻な不安材料を抱え、矛盾が限界点にまで拡大する恐れは十分にある。アナウサギのように潜って木まで枯らされることのないように祈る。 (E)