卓越した酒造りの技術で日本一の日本酒産地、 「灘五郷」 (西宮市、 神戸市) を支える職能集団 「丹波杜氏組合」 が、 その名が持つブランド力を確かなものにするため、 「丹波杜氏」 の認定基準を明確化することを酒造メーカーに通知した。 日本酒の消費量低下や杜氏の高齢化、 後継者不足など杜氏を取り巻く情勢も厳しくなる中、 基準を明確化することで技術と名声を継承していくことをねらう。
同組合事務局によると、 「丹波杜氏」 はこれまで、 酒造メーカーが推薦した杜氏を同組合の組合長、 副組合長が面接し、 認定していた。 現在38人が認定を受けている。
一方、 組合員でなくても、 「丹波杜氏」 に認定されるケースもあり、 組合員から基準の明確化が求められていた。
メーカーに通知した新基準では現行基準に加え、 ▽丹波杜氏組合の加盟期間が3年以上▽7年以上の酒造り経験か、 国家資格の1級酒造技能士を持っている―の2点を追加。 さらに詳細を精査した上で6月に行われる同組合の総会で正式決定する見通し。
丹波杜氏は1600年ごろ、 丹波地域の農家が冬季の副業として出稼ぎに行ったのが始まりとされ、 明治後半から昭和初期の最盛期には杜氏と蔵人を合わせて約4000人に及んだとされる。