関西電力の節電要請が、 製造業を中心とする篠山市の大口需要家の事業所にも届いており、 節電対策に知恵を絞っている。 震災前からすでに節電策に取り組んでいるところではさらなる節電は厳しい状況。 メーカーによっては、 工場稼働日を休日に変更するところもある。
関西電力は、 契約電力500キロワット以上の法人を訪問し、 節電を要請している。 その他の法人にはダイレクトメールを送付、 個人には、 パンフレットを検針時に投函している。 直接訪問の対象事業所は、 篠山、 丹波の両市で約70社。
住宅関連機器製造 「オーリス」 (篠山市西岡屋) は、 平日の電気使用量を減らすため、 7月から試験的に月曜日を休み、 土曜に工場を稼働させる。 また、 こまめに節電できる個所がないか工場内を点検していく方針。 8月以降の取り組みの計画はこれからだが、 工場稼働時間を朝早くからにしたり、 朝を遅くし、 夕方以降にまで稼働をずらすなどの方向で検討している。
自動車用コントロールケーブル製造 「兵庫ケーブル」 (同市北野) も、 7―9月、 親会社や他の自動車メーカーに合わせ、 木、 金曜日を休みにして、 土、 日曜日に工場を稼働させる。 ただ、 週末はどうしても出勤できない従業員が出てくるという課題が残り、 3カ月の限定措置ということで要請に協力する。 一方、 鋳物製造 「三井ミーハナイト・メタル」 (同市郡家) は、 毎年、 エネルギー使用量を前年比1%削減する取り組みをしてきており、 15%の削減は、 「企業活動できない状態」。 それでも、 「何もしない訳にはいかない」 と、 工場周辺にゴーヤの 「カーテン」 を育てたり、 照明をこまめに切るなどしている。
総合レジャー施設 「ユニトピアささやま」 (同市矢代) は、 施設全体のエアコンに関わる室外機の能力を2割減に。 客室の空の冷蔵庫のコンセントを抜いたり、 保管倉庫などの電球を間引きするなど、 利用客の迷惑にならない程度で節電する。
また、 室内にかかる電力量を抑えるため、 プールやビアガーデンなど、 昼間の屋外でのイベントは、 例年より充実させる。