人工知能で多頭捕獲 野生動物被害対策に

2011.08.25
ニュース

 兵庫県森林動物研究センター (丹波市青垣町沢野、 0795・80・5500) と兵庫県立大学が野生動物の農作物被害対策として、 捕獲用AIゲート 「かぞえもん」 (高さ約2メートル) を共同開発し、 8月21日に初公開した。 施設の一般公開にあわせて披露した。 ゲート入り口に備え付けたセンサーが動物の出入りを感知し、 その侵入状況に応じ、 人工知能が絶好の捕獲タイミングを導き出す装置。 「山の中の電源のないところでも、 無人で捕獲できる。 群れて何回も出没する動物を一度に多頭捕獲でき、 取り逃がしが減るのが大きなメリット」 と同研究センターは話している。

 同研究センターの坂田宏志主任研究員 (兵庫県立大学自然・環境科学研究所准教授) と阿部豪兵庫県立大学自然・環境科学研究所特任助教が、 地元の丹波市猟友会青垣支部、 電子機器メーカーの協力を得て開発した。

 エサ場にわなと 「かぞえもん」 を設置し、 コントロールボックスに内蔵されたAI装置 (人工知能) に希望する補獲数や確認期間を入力する。 最初はわなを警戒する動物も、 数日経てば再びエサを食べに来るという。

 続いて、 わなに動物が出入りするようになると、 その出入り状況をセンサーが感知し、 侵入頭数や出入りパターンから設定期間内で達成できる最適な捕獲見込み数をAI装置が算出。 見込み頭数以上がエサ場に侵入すると自動的にゲートが閉じ、 捕獲できる仕組み。 特許出願中で、 加古川市の 「一成」 (079・428・0682) で販売中。 1台約85万円。 すでに20数台の購入申し込みが来ているという。

 

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