化学研究で全国最優秀 県立柏原高校理科部が快挙

2011.08.21
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 県立柏原高校理科部 (芦田寛佳部長、 15人) が、 郡山市で開かれた 「第35回全国高等学校総合文化祭」 の自然科学部門研究発表 (化学分野) で、 頂点の最優秀賞を受賞した。 簡単な実験装置で、 緑茶中に含まれるビタミンCの量を正確に測定できるようになるまでの試行錯誤の過程を紹介。 地道な取り組みが評価された。

 大会は8月3、 4日に行われ、 同部門には24校が参加した。

 昨年の県大会で最優秀に輝いた 「緑茶中のビタミンCについて」 の研究を発展させた。 県大会時点では積み残していた課題 「正確な測定」 を、 硫酸を用い、 緑茶のペーハーを強酸性にすることでクリア。 強酸性にすると、 正確に測れることを証明する追加実験を重ね、 全国の舞台で披露した。

 実験前は、 ビタミンCの添加は、 お茶の変色を防ぐためと予想していたが、 測定の結果、 市販のペットボトルの含有量は100グラムあたり20ミリグラム (うち15ミリグラムが人工的に添加) と、 変色を防ぐほどには含まれておらず、 製造メーカーのビタミンC添加が変色防止を意図したものでないことを突き止めた。

 実験は、 1年生の時から取り組んだ。 「滴定」 といわれる、 地道な手法で数値を積み上げ、 茶の変色を見るため、 1日に8時間連続で記録をとったこともあった。 昨年の猛暑の夏休みも、 バーナーをたき、 研究を重ねた。

  「他校の発表が立派で、 受賞できるとは思わなかった。 長い実験の成果が認められてうれしい」 と芦田部長。 顧問の小西邦和教諭は、 「大学との共同研究や高価な分析機器を用いた発表も多く、 うちは単純な実験だったが、 純粋に部活動として全員が協力し、 データを出し、 推論を積み上げていったことが評価されたと思う」 と、 生徒をたたえた。

 

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