秋の味覚の王様、 丹波マツタケが、 丹波市内の山からあがり始めた。 例年より1週間ほど早くまとまった量が採れている。 マツタケは、 料亭や、 生産者が抱える全国の顧客と直接取引されるのが主だが、 量が採れていることから、 市場や野菜直売所でも一部販売されている。 生産者は今後について 「どれだけ雨が降って冷えるか、 天候次第」 と口をそろえている。
以前は 「秋祭り前」 によく出ていたマツタケだが、 近年は 「20日前後」 が多く、 料亭も生産者も顧客にそう伝えていた。 ところが、 祭り前から出始め、 10―13日ごろに一気に量が増えた。
市内料亭には、 12日朝からひっきりなしに生産者から電話がかかっていた。 店主によると、 これまで取引のなかった生産者からも 「キロ単位で売りたい」 という引き合いがあるほど、 よくあがったという。 「予約客が多いのが20日ごろなので、 その時分までもってくれれば」 と期待を込める。
東兵庫魚菜が運営する市立地方卸売市場 (同市氷上町石生) には、 10日に4キロ、 11日に500グラムと2日続けて春日産が持ち込まれ、 10日は初物の御祝儀相場で、 キロ7―8万円で買われた。 JA丹波ひかみ本店隣接の 「ベジまるしぇ」 (同町市辺) は8日、 氷上産の初物が入荷。 「かどのの郷」 (同町上新庄) は11日にかどの産の初物が持ち込まれた。 100グラム5000円程度で直売所に出した氷上の生産者は、 「大阪の高級料亭にも送ったが、 地元の直売所が活気づけばと出した」 と意図を話した。
◆弧を描くツボミ
丹波市内でマツタケが顔を見せ始めた。 12日朝、 自身が落札した山に入った市内の60歳代男性が、 約40本が孤を描くようにして生えているマツタケのツボミを見つけて、 カメラにおさめた。
男性は、 「9月中の雨と朝夕の冷え込みが影響したのでは。 日あたりの良い所よりも、 湿気の残っている所が生えやすい」 と話した。