市が保有株を譲渡 道の駅運営のふるさと振興

2011.11.06
ニュース

 丹波市 (農業振興課0795・74・0221) は、 市も出資する第3セクターで、 道の駅丹波おばあちゃんの里 (丹波市春日町七日市) を運営する 「ふるさと振興株式会社」 (柳川拓三社長、 資本金4000万円) の株の譲渡先を公募している。 市は同社の株を52・5%保有しており、 今年度中に25%未満にしたい考え。 将来は完全な民間会社として独立してもらうのがねらいで、 昨年度から両者で協議を続けてきた。

 同社の株主は、 78人39団体。 市は株主に増資を依頼したり、 同社の取り引き先に呼びかけるなどしている。 状況を見て、 一般公募を行うことも念頭においている。 1株5万円。 株主になるには、 取締役会の承諾が必要。

 全国的に第3セクターの経営が厳しい中で、 国が出した民営化を進める内容の 「抜本的改革等に関する指針」 を受けて、 会社への自治体の関与を薄めていこうとする動きが広がっているという。

 地方自治法上では、 「4分の1以上出資している法人」 に関しては監査権が生じるなどの関与が認められていることから、 市は 「4分の1」 を下回る「25%未満」 を当面の目標に設定。 市の責任と市民へのリスクを軽減していくねらい。

 同課は 「第3セクターである限りは、 市の責任を回避するものではないが、 将来は完全な民間会社として独立してほしい」 とし、 「ふるさと振興の業績に問題があるがための譲渡ではない」 と強調している。

 同社は2006年のオープン以来、 売上高、 購買客数ともに年々、 増加している。 昨年度の総売上高は2億5705万4000円で、 06年度比で151・2%の増。

 同社の柳川社長は、 「これからは行政に頼らず、 自立していかなければならない時代。 株譲渡により、 より地域に密着し、 市民とともに地域を盛り上げていくことにつながれば。 民間色が強まっても、 地域活性化と農業振興という公益性の部分は見失わないよう、 これからも取り組みたい」 と話している。

 

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