11月の月平均気温が過去30年間で2番目に暖かい12・6度 (気象庁アメダス、 丹波市柏原町母坪地点) となる、 記録的な暖かさが、 農作物にも影響を与えている。 冬物野菜の栽培が早まり、 丹波黒大豆の乾燥が遅れている。
これまでの11月の平均気温の最高は、 2003年の12・7度で、 それに次ぐ高温。
過去30年で、 11月としては最高の24・9度を4日に記録。 1日も2番目に高い24・5度を記録した。 最低気温も、 30年で最も高い18・2度を6日に記録した。
丹波市立地方卸売市場 (同市氷上町石生) を運営する東兵庫魚菜の久下聖太社長によると、 この影響で、 例年12月に入ってから本格化する大根など、 冬野菜の生育が2週間ほど早まり、 出荷が11月中旬から始まったという。 例年なら今時分に一度目のピークを迎えるホウレンソウも、 すでに一度目のピークは過ぎたという。
同社の関連会社 「あぐり丹波」 のいちご園 (同市氷上町新郷) でも、 例年より2週間出荷が早まっているという。 例年11月は出荷がほとんどないが、 今年は1600パックを出荷。 「クリスマスケーキの時期に、 物がなくなるんじゃないかと心配していたが、 二番果が出てきており、 供給不足には陥らない見込み」 と胸をなでおろしている。
一方、 乾いた冬の風が乾燥に必要な丹波黒大豆は収穫が遅れている。 丹波市内の生産面積の約半分を占める柏原地域では、 霜が1度しか下りず、 葉にはところどころ青い葉が残る。
柏原町黒大豆生産組合 (約120人) の小西勇組合長 (72) =同町下小倉=は、 「1週間以上遅れている。 葉が枯れないので、 葉取りに時間がかかり、 株を刈り取って干すところまでいっていないところが多い」 と話す。
JA丹波ひかみ柏原営農経済センターは6日を今シーズン最初の集荷日にしている。 例年なら初日に何百キロか集まるが、 小西組合長は 「今の状況では、 9日の2度目の集荷日を含め、 出せる人は少ない」 と見ている。
同様に、 乾いた風が必要な吊し柿も、 腐ったり、 カビが生えたりで出来が悪く、 暖かさがアダとなっている。