看護師退職で休床へ ささやま医療センター

2012.02.12
丹波の地域医療特集

 兵庫医科大学ささやま医療センター (篠山市黒岡、 一般136床、 療養44床) が、 3月末をめどに4つある病棟のうち、 一般病床の1病棟を休止し、 26床を減らすことが、 丹波新聞社の取材でわかった。 看護師の大量退職などが原因。 4月に看護師が補充される予定だが、 いずれも新規採用。 同センターは、 「新人が育つまで時間がかかり、 しばらくは休止措置を取らざるを得ないが、 早期の再開を目指したい」 としている。

 休止するのは、 主に内科系疾患の患者が入院する3階の病床。 夜勤は1病棟につき、 看護師2人を配置しており、 2病棟を一本化し、 人員の効率化を図る。

 同センターには、 看護師約90人が所属しているが、 うち3月末までに約10人が退職する意向を示しているため、 病棟維持に必要な人員を確保できなくなった。

 同センターによると、 通常、 一般病床の入院患者は100―110人で、 稼働率は73―80%。 病床に空きがあるため、 休止に伴って患者を他病院に移すことは免れた。

 一方、 病床減の影響から4月以降、 フル稼働に近づくことも想定されるため、在院期間の短縮や老人保健施設への入所などで対応するという。

 同センターは、 「小児病床や救急の患者など、必ず確保しなければならないベッドがあり、稼働率は85%程度で抑えなければならない」 とし、「産休から復帰する看護師もいるが、 夜勤などのイレギュラーな時間をカバーできず、 全体的な看護師数が足りない」 とした。

 打開策としては、 「奨学制度の運用など、 看護師の補充に全力を挙げるが、 根本的な解決には、長期的な視点で、 地域で看護師を育成していくことしかない」 とした。

 医師確保のため、 年間9000万円の補助を行っている篠山市の酒井隆明市長は、 「やむを得ないが市としても看護師の確保に協力できるところはしたい。 地元の病院で勤務してもらえるような策を検討したい」 と話している。

 

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