国内初の竜脚類歯骨 丹波市山南町上滝で発見

2012.06.28
丹波の恐竜

 県立人と自然の博物館は6月23日、 丹波市山南町上滝で発見された草食恐竜 「丹波竜」 の第1次発掘調査 (2007年) で回収した岩塊から、 丹波竜の下あごの一部とみられる 「歯骨」 が見つかったと発表した。 竜脚類の歯骨の発見は国内で初めて。 現在まで見つかった頭部化石とともに、 丹波竜をはじめ、 系統のティタノサウルス形類の頭部研究に大きく寄与する発見で、 同館の三枝春生主任研究員は 「今回の歯骨に続き、 篠山層群で発掘された未処理の岩塊から、 新たな頭部の化石が見つかれば」 と期待している。

 歯骨は長さ182ミリ、 高さ59・2ミリ、 幅15・4ミリの大きさ。 下あごの中間から後方部分とみられ、 歯の根の部分が入る穴で直径約1センチの 「歯槽 (しそう)」が5つ残っている。 三枝主任研究員は 「この骨から考えると、 発掘した丹波竜の下あごは40センチ以上あるだろう。 歯は前方に集まっており、 原始的な竜脚類より草食に適した進化をした証だ」 と話す。

 昨年末から今年1月の第6次発掘では、 それまでに発見された歯の化石の中で最も小さい直径約2・5ミリ、 長さ約15ミリの歯が見つかり、 「竜脚類の子どもの歯では」 と考えられていた。 「今までに発掘された47点の歯の化石には、 6次発掘で見つかったものをはじめ、 今回見つかった歯骨の歯槽に対応しない小さなものがある。 子どもの別個体がいることが証明できた」 と三枝主任研究員。 「未処理の岩塊から、 もし下あごの前半分でも出てくれば、 丹波竜の進化の具合がくわしく確認できる。 さらに竜脚類の頭部構造を解明する手掛かりになるだろう」 と話している。

 発見された歯骨の化石は、 7月7日から8月31日まで、 同博物館で展示する。

 

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