NPO法人・土佐の森救援隊 (高知県) が作りあげた、 地域や所有者自らが地域の山を整備し、 木材を出荷する仕組み 「土佐の森方式」 をモデル事例とし、 丹波市で自治体やチップ業者、 製紙会社が連携した仕組みづくりをめざす検討会が2月14日、 氷上住民センターで行われた。 同法人の呼びかけで、 すでに同方式を参考にした取り組みを始めている京丹後市、 篠山市のほか、 地域を巻き込んだ森づくりを検討している丹波市の担当者、 兵庫パルプ工業 (兵庫県丹波市山南町谷川)、 岡山県のチップ製造業者、 森林整備活動団体の代表ら14人が意見交換した。
同方式は2005年にスタート。 地域の山の木を森林所有者や地域自らで伐採し、 収集土場 「木の駅」 に出荷する。 高く買い取ってほしい地域と、 安く買いたい製紙会社との差額を、 行政の補助金を活用し、 地域通貨というかたちで上乗せして地域に還元する仕組み。
例えば、 軽トラック1杯の木材を地域は6000円で売りたい、 製紙会社は3000円でないと採算が合わないとなれば、 差額の3000円を行政の補助金などで売り手 (地域) に上乗せするもの。 地域通貨 (地域商品券) のかたちをとり、 地域経済活性化にも一役買う。
同法人事務局長の中嶋健造さんが、 「土佐の森方式」 について説明した後、 意見交換した。 兵庫パルプ工業の足立勇資材部長は、 「国内チップの不足分を海外から輸入しているが、 非常に割高になるため、 全て国内チップにシフトする方向だ。 安定量を供給できる体制があれば、 地域材を供給していただけるのはありがたい話だ」 と話した。
中嶋さんは、 「現場である地域は、 どうすればたくさんの木が出せるかを考え、 また、 チップ業者や製紙会社は、 地域に動きがあることを知ってもらいたい。 これからはバイオマス発電の需要も増えていくと予想されるから、 より集荷体制を構築していく必要がある」 と述べた。