篠山市黒岡の兵庫医科大学ささやま医療センター (福田能啓院長) に4月1日付で新たに2人の常勤産婦人科医が着任した。 同センターでは長年、 産婦人科医の1人体制が続いており、 複数人体制となるのは9年ぶり。 2010年に新設された同センターで、 2部屋あった診察室もこれまで1部屋しか使用されていなかったが、 現在は両方とも稼働している。 同センターは、 「産科医の増員は念願だった。新体制となった産科の充実に努めていきたい」と話している。
新たに着任したのは、 森本真晴医師 (34) と加藤徹医師 (29)。 ともに西宮市にある兵庫医科大学付属病院から異動した。
森本医師は、 2006年に同医大を卒業し、 付属病院へ。 加藤医師も08年に同医大を卒業。 付属病院、 府中病院などで勤務した。 外来はこれまで平日の毎日、 1つの診察室のみ使っていたが、 両医師の着任に伴い、 木曜を除き2診になった。
同センターでは04年5月から産婦人科の常勤医1人体制が続いており、 1995年に篠山病院に赴任した池田義和医師 (60) が1人で外来、 分娩を取り扱い、 当直も池田医師がほぼ毎日担当していた。 両医師の着任で、 産婦人科医は3人になった。
同病院の産婦人科では、 12年度で56件 (普通分娩45件、 帝王切開11件) のお産があった。 うち診療時間内が19件、 時間外が17件、 休日・深夜が20件だった。 外来患者は4363人、 入院患者は641人。
現在、 市内で分娩ができる施設は同病院と 「タマル産婦人科」 (東吹) の2カ所。 昨年度、 篠山市に出生届けが提出された赤ちゃんの人数は323人だった。
同病院で3人の子どもを出産した経験から、 池田医師に感謝を伝える取り組みをしたり、 地域医療支援グループ 「ささゆり」 の副代表を務めている中村貴子さん (43) =山内町=は、 「篠山で安心して出産、 子育てできる環境は、 若い人たちの定住にもつながるので、 先生が増えたことはとてもうれしいこと。 一市民として、 より一層、 地域医療を支援していきたいと思う」 と喜んでいた。