「おさんの森」でササユリ再生 柏原町下町沖田と氷上高・草花班が連携

2013.06.06
ニュース丹波市自然

写真・営農科草花班の生徒に教わりながら苗を移植する子どもたち

 ササユリの研究を続けている氷上高校営農科の草花班が、 丹波市柏原町下町沖田自治会と連携し、 「おさんの森」 にササユリを再生するプロジェクトに取り組んでおり、 6月2日、 同自治会で開かれた運動会会場で、 ササユリの栽培サポーターを募った。 3年ほど自宅で育ててもらい、 「おさんの森」 に移植する。 ササユリを育てている間に、 里山の手入れが進み、 ササユリを移植した際に、 根付く環境になっていることを期待している。

 同班がササユリの研究に打ち込んでいることを知った、 同自治会の花づくりグループ 「花の会」 (中島五郎代表) が協力を要請した。 生徒たちは昨年11月、 おさんの森に球根5―6個と12株を移植。 毎月調査に訪れ、 成長の様子を記録している。

 同班は、 通常であれば発芽まで1―2年かかる種をバイオ栽培で約半年に短縮する技術を持っており、 通常8年かかる開花までの期間を約2年縮めた。 学校で発芽させたものを直接山に戻すのでなく、 一度廃れた山野草を再生させるには、 人との関係性が重要と考え、 山の近くに住む人が栽培したものを山に戻す方法で群生が広がる 「新しい自然との共生」 を希望。 ユリを育て、 球根を大きくする 「サポーター」 30人を同自治会で募った。

 サポーターたちは、 同班の南力斗班長 (3年) と坂本佳予さん (同) に手伝ってもらいながら、 発芽から2年目の2ミリほどの球根を植木鉢に移し、 ▽日陰に置く▽たまに水をやる―などと、 栽培方法を教わった。

 サポーターになった山河悠生君 (7) は、 「大きくなって、 きれいな花が咲いたらな」 と言い、 「花の会」 事務局の大西容子さんは、「おさんの森に以前はササユリが咲いていたそう。 ササユリを通して、 地元の人がおさんの森に行く頻度が増えれば。 手入れも引き続きしていきたい」 と話した。

 市内の他の場所でもササユリの生息環境を調べている南班長は、 「光があまりあたらず、 水はけが良いおさんの森はいい条件。 サポーターに預けた苗がうまく育ってくれれば」 と期待している。

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