職員が公金700万円着服 丹波市

2013.07.28
ニュース丹波市

写真・職員の公金横領が発覚し、謝罪する辻市長(中央)ら=丹波市役所で

 丹波市は7月25日、 温水プールがある青垣総合運動公園に勤務する男性係長 (55) が、 スイミングスクール受講料、 施設使用料など701万3470円を着服していたことが分かったと発表した。 2008年9月にも、 職員が、 青垣もみじマラソン大会の費用約1300万円を着服した公金横領事件が発覚。 昨年8月には、 市水道部職員の不正事務処理が発覚し、 これを受けて今春には市職員の基本姿勢を定めた 「職員憲章」 を制定したが、 再発防止へ教訓は生かされなかった。 市は、 係長の処分、 告訴するか否かについて、 「これから検討する」 としている。

 

 市の調べによると、 係長は今年1月以降、 受講料などの一部を一時的に私的流用しては戻すことを繰り返し、 2月分の受講料などのうち20万円は私的に使い込み、 戻さなかった。 その後、 発覚を恐れ、 受講料などの収入伝票 (調定額) を20万円少なく記載するなどの不正を行った。 さらに4月13日から7月上旬までに窓口で受け取った受講料などの全額、 681万3470円を横領した。

 着服した公金は、 25日午後3時までに係長が全額返還した。 ただ、 1月に流用した額は、 現時点でははっきりしていないため、 最終的な着服額はさらに膨らむ。

 係長は、 パソコンやテレビの購入資金、 遊び代に使ったほか、 大豆の商品先物取引で発生した約300万円の損失を穴埋めするために、 6年ほど前から消費者金融で金を借り、 競馬につぎ込むなどし、 その返済に困って着服したと話しているという。

 同施設では前日1日分の売上を封筒に入れ、 集計額などを記載して金庫に保管。 毎月15日分をまとめて金融機関に持参して入金し、 金融機関が発行する振込み通知書を、 所管する青垣支所長がチェックする方法を取っていた。 15日分の売上現金を主に扱うのは、 係長だったが、 4月以降、 同通知書の提出はなかった。 同支所長も 「3―4回提出を催促した」 が、 結果的に確認しておらず、 ずさんなチェック体制も明らかになった。

 7月23日午前11時ごろ、 同施設事務所の金庫内に集計額などの記載のない、 現金が入った無地の封筒があるのに事務所職員が気づき、 何の現金かを調べるために職員らが事務所内の関係書類をひもとくうちに不正が発覚した。 4月13日―7月上旬までに本来、 859万円が金融機関に入金されているはずだったのが、 受講料の口座振替分など165万円しかなかった。

 辻重五郎市長は、 謝罪した上で、「今回は私生活の乱れが原因となっている面もあり、 私生活について相談にのる窓口をつくるなど、 これまでとは視点をかえた再発防止を検討する必要がある」 と話している。

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