「過労死防止に法を」 市議会全会で可決 篠山市内の遺族、意見書を提出

2013.10.10
ニュース丹波篠山市

 家族を過労死で亡くした篠山市内の遺族らが篠山市議会に 「過労死防止基本法」 の制定を求める意見書を提出し、 同市議会は10月4日、 全会一致で意見書を可決。 同日、 政府に提出した。 県内では神戸市議会、 県議会に続き3番目。 遺族らは今後も県内各自治体での採択を進める予定で、 「努力してもらった人たちに感謝したい」 と話した。

 

 意見書では、 厳しい企業間競争とグローバル経済の中で、 個別の企業だけで労働条件を改善することは困難とし、 国が法律を定めることを要望。 過労死防止基本法の柱として、 過労死はあってはならないことを国が宣言する国、 自治体、 事業主の業務の明確化国は過労死に関する調査・研究を行い、 総合的に対策をとること―を求めている。

 基本法の制定を巡っては、 全国で遺族や弁護士らが実行委員会を発足。 100万筆の署名活動や自治体への意見書採択を求める活動を展開している。

 同実行委によると、 9月時点で全国で46万筆の署名が集まっており、 うち6万7298筆を県内が占めている。

 遺族らは同日、 実行委メンバーの増田祐一・弁護士とともに篠山市役所で会見。 「涙を流して採決を見守った」 「採決が次につながれば」 と新たな一歩を喜んだ。

 増田弁護士は、 「 『抽象的な内容で何か変わるのか』 という意見もあるが、 基本法が成立することで、 国から自治体に予算がおり、 相談業務など、 さまざまな事業が展開される。 自殺対策基本法も同様で、 自殺者数が減るという結果が出ている」 とし、 「今後もさらに他の自治体での採決を目指していきたい」 と語った。

 

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