看板は「あぜ道サブレ」 パティシエが地元でスイーツ店 「気軽に足運んで」

2024.04.25
地域注目観光

29日にオープンする「フットパスケークス」の店内と、吉田大紀さん、沙也加さん夫婦=兵庫県丹波篠山市福住で

兵庫県丹波篠山市八上地区出身でパティシエ歴13年の吉田大紀さん(32)=同市野中=がUターンし、今月29日に同市福住でテイクアウトのスイーツ店「FOOTPATH CAKES(フットパスケークス)」をオープンする。「地元、丹波篠山でスイーツ店開業」という中学時代からの念願をかなえ、「敷居の高くない、地元の人に気軽に足を運んでいただけるような店にしたい」と話している。

子どもの頃、母親が手作りする菓子が好きで、篠山中学校時代の職業体験「トライやるウィーク」では、受け入れ先に菓子店「スイーツファクトリー」(同市網掛)を選んだ。篠山鳳鳴高時代には家で作ることにも挑戦。ものづくりの面白さに気づいた。

高校卒業後、ケーキ職人を目指し、辻学園調理・製菓専門学校(大阪市)で学び、尼崎市のスイーツ店「Riviere(リビエール)」に就職。当初の地域密着型から芸能人にも人気の有名店になるまでの11年間を経験。スーシェフを7年務め、「ケーキ作りだけでなく、お客様にどうしたら喜んで頂けるかを常に考えることを教えて頂いた」。

看板商品のクッキー缶「あぜ道サブレ」

子どもが小学校に入るタイミングでUターンしようと、2年ほど前から丹波篠山市内で物件探しをするなど、開業準備を進めるためにリビエールを退職。その後、神戸市のイタリア料理店でデザート作りを担当し、接客や、食材を提供する農家とのつながりの中で「生産者や作る人の思いをお客さんに伝えることの大切さ」を学んだ。

その経験から、ものづくりの考え方に共感した「脱サラファクトリー」(同県洲本市)の、「自凝雫塩(おのころしずくしお)」を使った缶入りクッキー「あぜ道サブレ」を開発。「ほろっとしたシンプルな味わい」に仕上げ、表面にあぜ道をイメージしたかわいらしい模様を入れた。

開店当初の商品は他に、焼きたての食感が楽しめる数種類のフィナンシェ、丹波市の氷上牛乳や芦田ポートリーの卵などを使ったシンプルでおいしいエクレア、こだわりのチーズケーキ、ガトーショコラ、無農薬のレモンをアクセントにしっとりとした食感のパンドジェンヌなどを取りそろえる。

専門学校が一緒で、大阪のチョコレート専門店で働いた経験のある妻の沙也加さんが店頭販売や、ケーキ作りを補助する。吉田さんは「お客さんに素直においしいと思ってもらえるようなケ

元郵便局の建物で開店する。外のベンチで食べることもできる

ーキを作っていきたい。妻と2人でやっていくので、準備できる数に限りがあり、ご迷惑をおかけするかもしれないが、温かく見守っていただければ」と話す。

場所は街道沿いの福住378番地(旧セレクトショップLittleaf)。駐車場は店向かいに4台分。営業時間は午前10時―午後5時(売り切れ次第終了)。水、木、日曜定休。

問い合わせは、インスタグラムから。

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