規制と利活用を規定 丹波市が条例提案へ 空き家対策

2014.02.23
ニュース丹波市

 丹波市は、 増加傾向にある空き家がもたらす防犯、 景観、 衛星上の問題に対応するため、 25日開会の定例会に 「空き家対策条例」 の制定案を提案する。 管理できていない空き家所有者に対する規制に加え、 地域活性化の有効な資源として利活用に向けた支援も条例でうたい、 総合的に施策を展開する。 市によると、 県内11自治体が同様の条例、 要綱を制定しているが、 空き家の規制だけでなく、 有効利用についても定めている点が丹波市の特徴という。 議会の承認を受ければ、 7月施行予定。

 

 市が2012年8月、 298自治会に対して行ったアンケート (228自治会が回答) によると、 空き家の数は1038棟。 このうち、 崩壊の危険性のあるものが59戸 (5・7%)、 防犯・環境面で問題のあるものが159戸 (15・4%) あった。

 条例案では、 市、 所有者だけでなく、 自治会や市民の役割を示し、 参画と協働によって対策を推進することとした。

 空き家の状況把握を的確にするための▽定期的な実態調査▽市職員による空き家への立入調査権限―などを規定。 規制の手法として、 改善を求める 「指導、 助言」 「勧告」 「命令、 公表」、 さらには行政が所有者に代わって撤去などを行う 「行政代執行」 を行う一方で、 所有者に対し空き家撤去に関する財政的な支援策も設ける。

 また、 利活用に関する情報提供や財政的支援などを行う上で、 関係部署が連携して総合的に施策を展開するための、 基本的な方向性、 具体的な取り組みの基本事項などを記した方針を定める。

 そのために、 地域代表、 有識者、 公募市民などで構成する 「空き家等対策審議会」 を設置し、 命令や行政代執行をするか否かを判断したり、 空き家対策の方針策定について協議する。

 条例が制定されれば、 市は同条例に基づき、 具体的な施策を、 審議会にはかりながら実施していくことになる。 施策案としては、 ▽撤去費用に対する助成▽撤去に伴う固定資産税の減免、 または相当額の助成▽登録、 活用、 管理などを総合的に行う組織の設立―などが考えられるという。

 担当の市生活安全課は、 「条例は、 今後、 所有者が分からない空き家を増やさないための予防的な要素が強い。 そのためには自治会の協力は不可欠。 例えば、 一人暮らしのお年寄りが亡くなれば、 お葬式の際に遺族の連絡先を把握してもらうなど、 適正な管理を担ってもらう後ろ盾になれば」 としている。

 

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