丹波市市島町前山地区を中心とした未曾有の大雨による災害の発生から1週間がたった。 強い降雨の予報で22日に市島地域全域に避難勧告が発令されるなど、 警戒が続いている。 被災者は土砂や土石流が入りんだ自宅の片付けに追われた。 ライフラインはおおむね復旧したが、 特に被害の大きかった同地区の一部地域などで、 断水が続く。 自宅が壊れ、 避難生活を余儀なくされている人も25世帯64人 (22日時点) いる。 交通網は寸断されたまま。 被災地では重機が入って目まぐるしく風景が変わっていく場面と、 重機が入れない狭い個所で汗と泥にまみれて作業するボランティアの姿が交錯している。
NTT西日本は22日、 市島町徳尾周辺で固定電話の仮復旧を終えた。「電話機が故障していないか確認を」 と呼びかけている。 関西電力も22日までにほぼ仮復旧を終えた。
丹波市と福知山市を結ぶ大動脈、 国道175号塩津峠は通行止め。 京都府中丹西土木事務所によると、 丹波市側の崩土は土砂の撤去を終えたが、 福知山側の被害がひどいと言う。 JR福知山線も石生―福知山間が不通でバスによる代行輸送が続いている。 「穴ノ裏峠」 の通行止めは解除された。
福知山線は、 石生―福知山間で39カ所の被害が発生。 市島と丹波竹田間の被害が大きく、 市島からやや丹波竹田側にある 「宮の上橋りょう」 は橋台が転倒。 橋の代わりにボックスカルバートを設置する予定。
1人暮らしの自宅が半壊し、 前山コミュニティーセンターで4日寝泊まりし、 同センターの避難所が22日にライフピアいちじまに集約されたため、 同施設に移った高野登志子さん (83) =同町徳尾=は、 「親切にしてもらい、 物資も足りている。 お世話になれてありがたい」 と言い、 22日の避難勧告で同施設に避難した足立しづ子さん (83) =同町上鴨阪=は、 「何度も放送が流れるのでこわくて仕方なかった。 1人で震えながら自宅にいたが、 ここなら安心できる」 とほっとしていた。
丹波市建設業協会の会員事業所を中心に、 民家周辺や河川を埋めた土砂の撤去を進めている。 県は県道や河川を、 市は民家に迫った土砂の撤去などを担っており、 市関係分で100以上の現場が動いている。 土地勘のある市島支部の会員が案内役になり、 集落ごとに担当支部を割り振って復旧に当たっている。