しっかりとした見極めを

2014.08.21
未―コラム記者ノート

 16、17日の両日、丹波市を襲った豪雨。17日の早朝、甚大な被害に見舞われた市島町の前山地区に向かった。現場に立ったとき、信じられない光景に絶句し立ち尽くした。山から流れ出た大量の土砂と流木がバリケードのように道路をふさぎ、民家を壊滅的に押しつぶしていた。
 市は、深夜の移動は危険との判断から、自宅2階への避難を勧めた。ただ、同地区の住民数人に話を聞くと、「避難勧告が発令されたときには、外は濁流で避難できるような状態ではなかった。もっと早く勧告が出ていれば、自宅より安全な場所に避難できたのに」と口をそろえた。勧告のタイミングはどうだったか。
 雨があがってから、住民は泥出しや家財道具の搬出に追われた。寸断された道路の影響で重機も入れず、遅々として作業は進んでいない。「高齢者が多い地区だし、手作業には限界がある。どこから手を付けていいのかさえわからない。あとはとにかく水がほしい」とこぼす住民たち。市や県、国は1日も早い復旧に全力を注ぐとともに、地域住民の声に耳を傾け、何が必要とされているのを見極めてもらいたい。(田畑知也)
 

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