創建年代は不詳と言われている。 明治維新までは、 神仏習合で、 近くに龍泉寺という寺もあったそうである。
篠山市沢田地区から東へ少し行ったところを右折して行くと、 左手の小高い山のふもとに社があり、 新しい鳥居が目につく。 地域のお祭りのある日には、 総舞や、 伊勢神宮の太神楽、 剣三番叟なども行われるそうである。
石段を上がって本殿にたどり着く。 向拝に、 あたりをにらみつける立派な竜の彫刻が見える。 6代目中井正貞の銘がある。 木鼻にも唐獅子や獏 (ばく) の彫り物が見える。 なかでも、 よそではなかなか見られない 「麒麟」 の彫刻には、 あっと驚くところがある。 正貞の力量が見て取れる。 このようなすぐれた彫り物がしつらえられているのは、 地域の人々の信仰心の篤さを表わしているのではなかろうか。
元高校教諭 岸名経夫