丹波市は19日、 8・16豪雨災害で被災した農業者が機械などを購入したり、 農地を再生する場合や、 中小企業者が事業を再開する場合の支援策を発表した。 また、 復旧工事における受益者負担を、 山腹崩壊は原則負担なし、 農地や林道は 「10% (以内)」 に軽減する方針を示した。 約9400万円を財政調整基金から取り崩す (受益者負担の軽減にかかる費用は除く)。 応急対応・復旧事業のスケジュールも示し、 11月中に災害査定を終え、 本復旧工事は年明けからとなる。
〈農業者支援〉
被災農業者が畜舎や農業倉庫を再建したり、 農機具を購入する場合、 10分の3を補助する国の制度に市が10分の2を上乗せし、 半額を補助する。
集落営農組織や認定農業者の場合は、 国と同率の10分の3を上乗せし、 6割を補助。 さらに農業用機械の修理、 代替機械をリースする場合には2分の1 (限度額50万円) を補助する。 「人・農地プラン」 を策定して営農再開する場合には、 2分の1を補助する県の制度に市が4分の1上乗せし、 4分の3にする。
被災した野生鳥獣侵入防止柵の復旧は地元負担をゼロにした。 農業機械の取得などでJAや金融機関の融資を受ける際に、 利子補給する支援も行う。
〈商工業者支援〉
被災した中小企業者に対しては、 商工会や市の職員が出向いて相談業務を充実させる。 また、 事業再開に向けて、 中小企業資金融資制度に新たに災害復旧枠を創設。 貸付利率を通常の1・15%から 「0・95%」 に下げたり、 保証料を全額補助する。 災害前の経営改善や設備投資資金の債務について、 償還元金の軽減、 期間延長などの負担軽減を図る。 期間延長により保証料が増額する場合は、 その増額分を補助する。
〈受益者負担軽減〉
山腹崩壊の復旧工事は通常、 地形や崩壊の状況、 受益者数などによって手法や負担額が異なるが、 地元の合意形成を早め、 迅速に対策をうつために、 原則負担なしとする方針。 また、 農地や林道、 作業道は国の激甚指定を受けたことにより、 国庫負担割合が高まるが、 査定後まで確定しない。 このため、 あらかじめ受益者負担の限度割合を 「10% (以内)」 と定めることで、 受益者が農地復旧を検討する際の判断材料にしてもらう。 仮に国庫負担が8割となった場合、 残る1割を市が負担、 もう1割が受益者負担となる。 関連条例を改正する予定。
今後のスケジュールでは、 上下水道の復旧は、 道路下に配管を通す場合があることから道路や河川工事と調整しながら進める。 林地崩壊の復旧について市は、 「長ければ3年ほどかかるものもある」 としている。