復旧と復興

2014.09.13
丹波春秋

 豪雨被災地に足を運ぶたびに、これからどうなるかという事を痛感する。木々に包まれた、夕べには涼しい風の入ってくる住みかが一瞬のうちに泥で覆われた。田んぼには大きな流木が横たわっている。▼確かに復旧は進む。泥は吐き出され、やがては傷んだ箇所も修復されて元の団らんが戻って来るだろう。今は誰もがこう思い描いて動いているのだが、果たしてその通りになるのだろうか。▼他の家に仮住まいはしたが、「元の所にはもう帰りたくない」と考える人も少なくないという。以前から都会に出て行き、管理だけに帰っていた家などはどこまで修復するべきか、ためらわれるに違いない。▼丹波地域は「自然に恵まれ比較的安全な所」というイメージが移住者を呼び込み、人口流出をある程度補てんしている面があった。その傾向にもブレーキがかかるかもしれない。その結果は一層の人口減である。▼思えば、3年半経った東北大震災の被災地ではこれがもっと大がかりに起きている。本当に復興につながるのか、皆不安に苛まれながら復旧に向かっている。地域の問題は全国の問題だが、有効な手立てはすぐには思い浮かばない。しかしながら悲観的でばかりいても始まらない。少なくとも、地域の連帯力を絶やさないことを心して前に進むしかないのだろう。(E)

 

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