新属新種の大型草食恐竜、 丹波竜 (タンバティタニス・アミキティアエ) 発見現場 (山南町上滝) 近くで新たな恐竜化石が見つかり、 8月29―31日にかけて公開試掘調査が行われた。 恐竜と見られる化石のほか、 小動物と見られる化石を含んだ地層の塊などの収穫があった。 県立人と自然の博物館 (三田市) で詳しく調べる。
写真上・丹波竜発見現場のすぐ近くで新たに恐竜と見られる化石が見つかった地層を掘るボランティアたち=山南町上滝で
写真下・村上さんが新たに発見した恐竜化石(丹波市提供)
4月に丹波竜発見者で上久下地域自治協議会長の村上茂さん (69) =山南町上滝=が、 丹波竜発見現場から10ほど上流の篠山層群で別の恐竜と見られる化石 (長さ12、 幅2・5、 厚み0・4) を見つけた。 同博物館の三枝春生主任研究員によると、 恐竜のろっ骨と見られるという。 首のろっ骨かあばら骨かは詳しく調べる必要があり、 丹波竜より数万年後の地層から見つかっていることから、 同竜とは別の個体と見られるという。
再度の村上さんの発見を受け、 地元で恐竜熱や、 化石や地層への関心を再度盛り上げようと、 同地域自治協議会が発掘ボランティアチーム 「元気村かみくげ化石調査隊」 を組織。 同隊のメンバーや同博物館の研究者らがボランティアで試掘調査を行った。
縦1・2×幅7×深さ0・6を掘る予定だったが、 密集して化石を含んでいる可能性がある層が見つかり、 時間を割いたため、 予定範囲を終えることができなかった。
ボランティアの1人、 中塚達子さん (68) =同町太田=は、 「発掘したいな、 したいなと思っていたら声がかかった。 楽しくてうきうきしています」 と久しぶりの作業を楽しんでいた。
三枝主任研究員は、 「村上さんは、 『化石に気づく力』 がある」 と言い、 「発見現場付近にさらに化石が埋もれている可能性が広がった」 と言う。 また、 「篠山層群からはカエルやトカゲといった小動物が万遍なく見つかっている。 恐竜に限らず、 当時の生態系を知るうえで貴重な化石が見つかれば」 と期待を寄せた。 村上さんは、 「恐竜化石を生かしたまちづくりのPRで取り組んだ。 小動物などの化石も出ており、 学術的にもおもしろいのでは。 研究成果を待ちたい」 と言い、 「掘り残しがあるので、 改めて機会を設け公開試掘調査を行うなど、 夢をつないでいきたい」 と話した。
恐竜化石の発見現場では、 県教育委員会らが2012年1月まで6回にわたる発掘調査を行った。
“