元サッカー日本代表の話

2014.10.29
未―コラム記者ノート

 日本サッカー協会が主催する「こころのプロジェクト」が中央小学校で開かれ、取材した。講師を務めたのは、元サッカー日本代表の波戸康広さん。自身が歩んだ道などを児童に語りかけた。
 波戸さんは、南あわじ市の出身。トルシエ監督のころに代表に選ばれた、輝かしい人だなぁという認識を持っていたが、中学生のころに「いじめ」にあったそうで、いささか驚いた。1年生ながら、3年生も出場する試合に出たことに「ねたみ」を持たれたのがきっかけだったという。
 校舎の片隅で一人トレーニングをしていたとき、帰宅部の友人から「手伝うよ」と声をかけられ、「俺としゃべると、お前もいじめられるぞ」と返したところ、「俺は手伝いたいんだ」ときっぱり言われたそうだ。「涙が出るほどうれしかった」と振り返った波戸さんは、この友人から勇気をもらった、と話していた。
 いじめ、けがなどを乗り越えてサッカー選手になった波戸さん。どんなに努力しても、成功できるとは限らない。でも「成長」は必ずできる。そう話す波戸さんの言葉が、児童たちの胸にいつまでも残ってほしいと思った。(田畑知也)
 

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