動くカフェで魅力を発信 地域おこし協力隊 篠山市

2014.10.12
ニュース丹波篠山市

地域おこし協力隊が導入した移動カフェ 「マイクロカフェ篠山」=兵庫県篠山市東新町で

篠山市内で活動している 「地域おこし協力隊」 が軽ワゴン車を使った移動カフェ 「マイクロカフェ篠山」 を制作、 運営をスタートさせた。 市内では各地の祭りなどの催しに参加して盛り上げに一役買い、 市外では篠山の農産物などの魅力をアピールすることが狙い。 機動力を生かし、 篠山を詰め込んだ動く魅力発信所を目指す隊員らは、 「収益も上げながら、 いろんなネットワークが築ける場にしていきたい」 と意気込んでいる。

マイクロカフェには、 小さな炊事場とカセットコンロ、 水のタンク、 発電機などを搭載。 折り畳み式のテーブルとイスもあり、 どこでもカフェを開ける。

自動車の後部座席を倒して板を敷いているため、 改造車に当たらず、 費用も最小限に抑えている。

目玉メニューは、 大山地区の高蔵寺の水で淹れるコーヒー。 ほかに手絞りのぶどうジュースやみかんジュースもあり、 今後は黒豆を使ったコーヒーなど、 さらにメニューを充実させていく。 電力は、 大芋地区で取り組む水力発電を活用する計画もある。

5日に畑地区で行われた 「丹波篠山はた祭り」 で現場デビュー。 住民の憩いの場となり、 隊員らは、 「たくさんの人が集まってくれて、 こちらとしてもいろんな話を聞かせてもらい、 よかった」 と喜ぶ。

現在得ている営業許可は兵庫県内 (神戸市など一部除く) だが、 大阪や京都などでも許可を取る予定で、 都市部で野菜を売るマルシェなどにも参加し、 篠山産の野菜とカフェを合わせてPRしていくという。

協力隊として市内各地で活動する中、 より地域に溶け込むことや、 都市部で篠山の魅力を発信するツールを模索し、 移動カフェを考案。 今年7月ごろから資材の調達や車の改装、 各種申請などの作業に取り組んできた。

隊員で立命館大大学院の野口陽平さん (31) =大山地区担当=は、 「京阪神でも車ならば近いので、 機動力とコンパクトさを生かして、 篠山の魅力をPRできれば」 と笑顔。 協力隊コーディネーターで、 神戸大篠山フィールドステーションの田晋史さん (32) は、 「篠山のものを発信することで、 今あるものの再評価につなげられたら。 これからどんどんこの車に篠山を詰め込んでいきたい」 と話している。

今後は味まつりや、 大山地区の市民農園で行われる収穫祭、 アルペンルート登山などさまざまなイベントでの参加が決まっている。

 

 【地域おこし協力隊】総務省が2009年に創設した制度で、 都市部の住民が地域に住み、 活性化に貢献する。 自治体が受け入れているが、 隊員の経費は国からの支援を受けることができる。 篠山市内では4人の大学、 大学院生が▽大芋▽畑▽大山▽西紀北―で活動している。

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