室町時代の応永11年 (1404) 創建。 浄土宗。 裏山には中世の山城跡がある。 少し高い所にあるこの寺からは、 福知山盆地がはるかに見渡せる。 寺は少し離れたところから現在地へ移ってきたそうだ。
整備の行き届いた境内に入る。 本殿への入り口の梁の上には、 立派な竜の彫刻が目に入ってくる。 なかなかの迫力だ。 宝珠をしっかり3本の爪で握っており、 いらかの部分の彫刻もきめ細かく彫り上げられている。 木鼻には定番の唐獅子と獏が睨みをきかしている。 手挟みの部分の籠彫りには、 花の彫刻が施され、 その裏表には鶴が飛翔する姿が彫り込まれている。 さらに、 屋根下の別の個所には、 鶴に呼応して長寿を願う装飾的なウミガメがしつらえられている。 また脇獅子も立派なもので、 花の中から1頭の竜が外をうかがっている。 天保3年 (1832) ごろの6代目、 中井権次橘正貞の手によるものであると考えられる。
元高校教諭 岸名経夫