八柱神社(丹波市青垣町佐治)

2015.04.16
中井一統特集

 佐治の旧本通りから狭い道を入って行くと、 正面に鳥居が見える。 さらに、 かなり石段を上って行く。 広い神域が目に入る。 往時の佐治城跡の麓にある八柱神社である。 社殿が点在する。 名の通り8つある。 中央辺りにやや大きめの社殿がある。 扁額に正一位八王子と書いてあり、 稲荷社になっている。 他に、 愛宕、 天神、 恵比寿、 八幡、 厳島、 金毘羅宮等々、 多彩なものである。
 祭神が櫛稲田姫であるこの稲荷社に彫り物が集中している。 風雪に晒されて劣化が進んでいるが、 向背の龍 (残念ながら、 頭部が欠けてしまっている)、 木鼻の唐獅子と象の彫り物は垢抜けした立派なものである。 また、 肘木鼻の唐獅子と珍しい聖獣も見ものだ。 兎の毛通しの鳳凰も趣がある。 金毘羅宮に竜の彫り物が見える。 裏に 「六代目中井正貞」 の銘がある。余談だが、千木が内そぎになっているのから判断して、 八柱のうち二柱が女神であると考えられる。

元高校教諭 岸名経夫
 

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